季節の変わり目
こんにちは、浜松町にある精神科・心療内科「ラベンダーメンタルクリニック浜松町」院長の中野和歌子です。今日はあいにくの台風接近で、外は大雨が続いています。窓の外を眺めながら、この湿った空気や気圧の変化が、皆さんの心にどのような影を落としているかと思いを馳せています。
雨の日が続くと、どうしても気分が沈みがちになります。特に浜松町や大門周辺で働く皆さんは、天候が悪い中での通勤だけでも大変なストレスを感じていらっしゃることでしょう。今回は、最近のクリニックの様子や私自身の日常を交えながら、心のメンテナンスについてお話ししたいと思います。
季節の変わり目と気圧の影響
最近、外来では「なんだか体が重い」「理由もなく涙が出る」といった不調を訴える患者さんが増えています。これは、気圧の変化によって自律神経のバランスが崩れる、いわゆる気象病の影響も大きいと考えられます。気圧の急激な変化は、脳の血管を膨張させたり、耳の奥にある内耳に影響を与えたりして、心身に様々な不調をきたします。
精神科の領域でも、こうした天候不順は抑うつ状態を悪化させる一因となることがあります。特に、日照時間が短くなったり天気が悪かったりすると、脳内のセロトニンというホルモンの分泌が不安定になり、不安感やイライラが強まりやすくなるのです。お仕事帰りに駅の階段を上るのがいつもより辛いと感じたら、それは心が発している休息のサインかもしれません。
気象病や自律神経の乱れについては、当院でも詳しく診断を行っております。体調と心の関係に不安がある方は、一度ご相談ください。
気象病の詳細については「気象病」のページを参照してください。
自律神経の乱れについては「自律神経失調症」のページを参照してください。
新年度を乗り切った皆さんへ
さて、4月からの新年度も少し落ち着きを見せ始める頃ですが、実はこの時期が一番疲れが出やすいタイミングでもあります。新しい職場、新しい部署、あるいはご家族の環境変化。こうした「新しいこと」は、たとえ喜ばしいことであっても、私たちの脳には大きな負荷としてかかっています。いわゆる「5月病」も、医学的には適応障害やうつ病の初期段階である可能性があります。
私の家庭でも、実はこの4月、5月は本当に大変な時期でした。子供たちの新しい環境への馴染み具合や、習い事の曜日変更、学校行事への対応など、親としてのタスクが山積みで、正直に申し上げるとパンク寸前でした。名前つけなどの細かな作業から、子供の情緒を支えることまで、毎日が怒涛のように過ぎ去っていきました。
医師として患者さんにアドバイスをしていながら、自分自身の生活が乱れてしまうこともあります。しかし、そうした経験があるからこそ、忙しい現代社会を生きる皆さんの「もう頑張れない」という気持ちが、痛いほどよく分かります。完璧を目指すことは、時には自分を追い詰める刃になってしまうのです。
新しい環境に馴染めず、心身の不調が続いている方は、一人で悩まずにぜひご相談ください。
適応障害の詳細については「適応障害」のページを参照してください。
私たちが新年度を乗り切るための工夫
私自身がこの大変な新年度を乗り切るために意識していた、いくつかの工夫をご紹介します。これは、外来で患者さんにお話しすることも多い、メンタルヘルスを保つための基本的な考え方です。
- 完璧にしない・・「まあ、これくらいでいいか」と自分を許す勇気を持つことが、長期的な安定に繋がります。
- 支援に頼る・・自分一人ですべてを解決しようとせず、家族、友人、あるいは専門家の力を積極的に借りてください。
- 優先事項をたてる・・今日絶対にやらなければならないこと以外は、潔く諦めることも大切です。
- 先延ばしにする・・心に余裕がない時は、重要度の低い決断は後回しにしても構いません。
- 睡眠と食事を大事にする・・脳のエネルギー源である食事と、唯一の休息である睡眠だけは死守しましょう。
特に睡眠については、当院でも非常に重視しています。眠れない夜が続くと、不安感は増幅され、思考がネガティブな方向へと偏ってしまいます。熟睡できない、寝つきが悪いといった悩みは、メンタル不調の最も初期に現れるサインです。当院では精密な睡眠検査も行っておりますので、お気軽にお声がけください。
不眠に関する具体的な悩みについては、以下のページも参考にしてください。
眠れない症状については「寝つきが悪い」のページを参照してください。
睡眠検査の詳細については「睡眠検査(S'UIMIN)について」のページを参照してください。
精神科薬物療法専門医としてのこだわり
私は大学病院時代から、主にうつ病の薬物療法に関する臨床研究に携わってきました。その中で強く感じたのは、精神科の薬物療法は選択肢が非常に多い一方で、個々の患者さんに適した選択がなされていないケースが少なくないということです。薬は「多ければ良い」というものではありません。
当院では、日本臨床精神神経薬理学専門医(精神科薬物療法専門医)としての知識を活かし、エビデンス(科学的根拠)に基づいた質の高い医療を提供することを信条としています。患者さんお一人お一人の症状や体質、ライフスタイルに合わせて、最小限の種類と量で、最大限の効果が期待できる処方を検討します。お薬に対する不安がある方こそ、当院でじっくりとお話しをさせていただければと思います。
薬物療法は、あくまで皆さんが本来の自分を取り戻すための「杖」のような存在です。無理に飲み続ける必要もありませんし、逆に必要な時にはしっかりとサポートしてくれます。薬を飲みたくないけれど、どうにかしたい、というご相談も歓迎しています。当院では患者さんの意思を尊重した治療方針を共に考えていきます。
うつ病の治療については、以下のページで詳しく解説しています。
うつ病の詳細については「うつ病」のページを参照してください。
産業医としての視点から
私は日本医師会認定産業医としての資格も持ち、企業のメンタルヘルスにも関わってきました。港区や浜松町エリアには多くの企業がありますが、職場の人間関係や長時間労働によるストレスは深刻です。産業医としての経験から、職場の環境が心に与える影響の大きさを、人一倍理解しているつもりです。
「仕事のミスが増えてきた」「集中力が続かない」といった症状は、単なる怠慢ではなく、脳の疲労からくるサインかもしれません。無理をして働き続けた結果、適応障害やうつ病に発展してしまう前に、早めのケアが必要です。診断書の発行や、復職支援に関するご相談も承っております。
一人で抱え込まないための場所として
「こんな小さなことで病院に行ってもいいのだろうか」と躊躇される方もいらっしゃいますが、精神科・心療内科は決して特別な場所ではありません。台風の日に雨宿りをするように、心が疲れた時にふらりと立ち寄って、一息つける場所でありたいと考えています。
当院は、JR浜松町駅、地下鉄大門駅からすぐの場所にあります。お仕事帰りや休憩時間に、少しだけお時間をいただければ、何かお力になれることがあるかもしれません。オンライン診療も導入しておりますので、外出が辛い時にはこちらも活用してください。
皆さんの毎日が、少しでも穏やかで明るいものになりますように。雨の日も、風の日も、私たちはここであなたを待っています。
初めて受診される方はこちらをご一読ください。「初診の方へ」のページ
執筆者
ラベンダーメンタルクリニック浜松町 院長・医学博士
中野 和歌子
- 日本精神神経学会精神科専門医・指導医
- 精神保健指定医
- 産業医科大学産業医学基本講座修了、日本医師会認定産業医
- 日本臨床精神神経薬理学専門医(精神科薬物療法専門医)
- 日本禁煙学会認定専門医
- 臨床研修指導医
- コンサータ処方医登録
- セリンクロ処方医
執筆者
ラベンダーメンタルクリニック浜松町 院長・医学博士
中野 和歌子
- 日本精神神経学会精神科専門医・指導医
- 精神保健指定医
- 産業医科大学産業医学基本講座修了、日本医師会認定産業医
- 日本臨床精神神経薬理学専門医(精神科薬物療法専門医)
- 日本禁煙学会認定専門医
- 臨床研修指導医
- コンサータ処方医登録
- セリンクロ処方医
- 電車でお越しの場合
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