メニュー

世界禁煙デー

[2026.05.28]

毎年5月31日は、世界保健機関(WHO)が定めた「世界禁煙デー」です。厚生労働省でも、この日から1週間を「禁煙週間」として、禁煙の普及啓発を行っています。東京都港区の浜松町・大門エリアで診療を行う当院、ラベンダーメンタルクリニック浜松町でも、この時期は改めて皆さんと一緒にタバコと健康について考えたい大切な節目として捉えています。

私はこれまで、精神科医として数多くの患者さんと向き合ってきました。その中で、心の不調とタバコには非常に深い関わりがあることを実感しています。私は日本禁煙学会認定専門医として、エビデンスに基づいた禁煙サポートを行っております。今回のコラムでは、精神科・心療内科の視点から見た禁煙の重要性と、当院での取り組みについて詳しくお話しします。

世界禁煙デーとタバコを取り巻く現状

世界禁煙デーは、タバコを吸わないことが一般的な習慣となるよう目指して設けられました。現在、タバコが健康に及ぼす影響については、肺がんや心疾患だけでなく、精神的な健康(メンタルヘルス)への悪影響も広く知られるようになっています。

ニコチンが心に与える影響

タバコに含まれるニコチンは、脳内の報酬系という部分に作用し、一時的な快感やリラックス感をもたらします。しかし、効果が切れると強い離脱症状(イライラ感や集中力の低下)が現れます。この不快感を解消するために再びタバコを吸うというサイクルが、ニコチン依存症の正体です。

この依存のサイクルは、自律神経のバランスを崩し、情緒を不安定にさせる要因となります。タバコを吸うことでストレスが解消されているように感じるのは、実はニコチンの欠乏によるイライラが一時的に収まっただけというケースが非常に多いのです。

精神科・心療内科で禁煙に取り組む意義

「なぜ精神科で禁煙治療を?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、タバコと心の病気には切っても切れない関係があります。例えば、うつ病や不安障害を抱えている方は、そうでない方に比べて喫煙率が高いというデータがあります。

また、喫煙は精神科で使用するお薬の効き方にも影響を与えます。タバコに含まれる成分が肝臓の代謝を早めてしまい、お薬の血中濃度を下げてしまうことがあるからです。精神科薬物療法専門医の視点からも、適切な治療効果を得るために禁煙は非常に重要な要素となります。

禁煙によって改善が期待できる心の症状

禁煙を成功させることで、身体的な健康だけでなく、以下のようなメンタル面での改善も期待できます。

  • 不安感やイライラの軽減
  • 睡眠の質の向上(寝つきの良さや熟睡感)
  • 集中力や意欲の回復
  • 自己肯定感の向上(依存を克服したという自信)

特に「睡眠」への影響は顕著です。ニコチンには覚醒作用があるため、就寝前の喫煙は眠りの質を著しく下げてしまいます。ぐっすり眠れないと感じている方は、禁煙が解決の糸口になるかもしれません。

当院の禁煙外来でのアプローチ

ラベンダーメンタルクリニック浜松町では、単に「タバコを止めなさい」と言うだけの指導は行いません。患者さん一人ひとりの背景や心の状態に寄り添い、無理のない計画を一緒に立てていきます。

当院の強みは、日本禁煙学会認定専門医である院長が、依存症のメカニズムを熟知した上で治療にあたることです。禁煙に伴う不安や気分の落ち込みに対しても、精神科医としての専門性を活かしたフォローが可能です。

禁煙外来の具体的な流れについては「禁煙外来」のページを参照してください。

禁煙治療で用いられる方法

現在の禁煙治療では、以下のような選択肢があります。患者さんの体質やライフスタイルに合わせて提案いたします。

1. ニコチンパッチ(貼り薬)

皮膚から少量のニコチンを吸収させることで、離脱症状を和らげる方法です。段階的にニコチンの量を減らしていくことで、無理なくタバコから離れることができます。

2. 禁煙補助薬(飲み薬)

ニコチンを含まない飲み薬で、タバコを吸いたいという欲求を抑えたり、吸った時においしいと感じにくくしたりする効果があります。

3. 丁寧なカウンセリング

お薬だけでなく、生活習慣の改善やストレスへの対処法(コーピング)を一緒に検討します。「手持ち無沙汰な時にどうするか」「飲み会での誘いをどう断るか」といった具体的な場面への対策を話し合います。

働く方々と企業の皆さまへ

JR浜松町駅や地下鉄大門駅からすぐの当院には、多くの会社員の方が来院されます。近年では、健康経営の一環として従業員の禁煙を推奨する企業が増えています。

喫煙による健康被害は、欠勤や労働生産性の低下(プレゼンティーイズム)を招くリスク因子-病気を引き起こす原因-となります。企業や自治体によっては、禁煙外来の受診費用に対して補助金が出るケースもありますので、ぜひ一度ご自身の職場の制度を確認してみてください。

禁煙に関するよくある質問

Q1. 禁煙すると太ると聞いたのですが本当ですか?

A1. 禁煙によって味覚や嗅覚が改善し、食事がおいしく感じられるようになることや、代謝の変化で一時的に体重が増える方は確かにいらっしゃいます。しかし、多くの場合、数キロ程度の変化であり、タバコを吸い続けるリスクに比べれば健康へのメリットの方が圧倒的に大きいです。当院では食事のアドバイスも併せて行っています。

Q2. 精神的な病気で通院中でも禁煙治療は受けられますか?

A2. はい、可能です。むしろ、精神的な症状がある方こそ、慎重なモニタリングが必要ですので、当院のような心療内科での禁煙治療が適しています。現在お使いのお薬との兼ね合いを考慮しながら、精神科薬物療法専門医として安全に進めてまいります。通院先の主治医の先生の許可とご紹介状をご持参ください。

Q3. 禁煙治療にかかる費用の補助は受けれますか?

A3. お勤め先の企業様やお住いの自治体によっては補助が受けれる場合があります。

 治療の開始前に手続きが必要な場合もございますのでお調べの上ご受診ください。

 港区禁煙外来治療費助成

院長より

「タバコを止めたいけれど、自分の意志だけではどうにもならない」と悩んでおられる方は、決して少なくありません。ニコチン依存症は意志の強弱の問題ではなく、脳の仕組みが関わる病気の一つです。私はこれまで、大学病院やクリニックで依存症の研究と臨床に深く携わってきました。世界禁煙デーをきっかけに、一歩踏み出してみませんか。お薬への不安がある方も、個々人にあった治療方針を検討しますので、どうぞご遠慮なくご相談ください。

日本禁煙学会認定専門医・精神科専門医・薬理学専門医・産業医として、責任をもって支援をしてまいります。どうぞお気軽にご相談ください。

執筆者

ラベンダーメンタルクリニック浜松町 院長・医学博士
中野 和歌子

  • 日本精神神経学会精神科専門医・指導医
  • 精神保健指定医
  • 産業医科大学産業医学基本講座修了、日本医師会認定産業医
  • 日本臨床精神神経薬理学専門医(精神科薬物療法専門医)
  • 日本禁煙学会認定専門医
  • 臨床研修指導医
  • コンサータ処方医登録
  • セリンクロ処方医
  • 電車でお越しの場合
    浜松町駅北口から徒歩2分
  • 地下鉄でお越しの場合
    大門駅B5出口直結
  • バスでお越しの場合
    都営バス大門駅1番乗り場、3番 乗り場から徒歩2分
▲ ページのトップに戻る

Close

HOME

AIチャットに質問(24時間対応)