適応障害
適応障害は、大きな環境の変化などで、強いストレスを受けることにより、日常生活を送ることが困難になるほどの様々な症状をきたす病気です。診断基準では、ストレスの原因となる環境の変化があってから、1カ月以内に症状が現れ、症状は最大で6カ月で治まるものとされていますが、ストレスを受ける状態が改善されない場合は、それ以上長期間に渡って続くこともあります。ストレスの要素としては学校、職場、家庭なの人間関係です。結婚や昇進など一見、喜ばしいライフイベントも人によってはストレスの原因となることもあります。うつ病との違いは、原因となっているストレス因から離れることで速やかに症状が改善します。例えば、仕事がストレスの原因となっている方は、仕事のある平日にのみ心身の不調が主体としてあらわれ、休みの日は元気に過ごせているという状況です。
実際の診療では、うつ病と適応障害を明確に区別することは難しいこともあります。治療としては、ストレスを減らす環境調整を行うこと、ご自身のストレスへの適応力をあげていくことです。薬物療法としては明確な規定はなく、対処療法となり使用をしないこともほとんどで。症状緩和のために、例えば、不眠の症状があれば、睡眠薬、不安に対しては抗不安薬や漢方薬を一時的に使うこともあります。